卵子が年を取るのは女性の体を守るために作られたメカニズム

投稿日時:2019/10/23(水) 11:20

女性の卵子は原始卵胞から生まれますが、
原始卵胞は生まれたときが一番多くて徐々に減っていきます。


つまり、加齢とともに減っていくのですが、
これはなぜでしょうか。


実は、女性の体にこういう仕組みが出来ているのは、
女性の体を守るためなのです。


医学が発達した現代では、ある程度高齢で妊娠しても無事出産できますが、
医学が未発達だった時代では、高齢妊娠はそれこそ命取りでした。

しかも、そういう時代が長く続いてきたのです。


そのため、加齢とともに卵子が年を取り、
妊娠しにくくなるのは自然の摂理にかなっているとも言えるのです。


もし女性が何歳になっても若い頃と同じように妊娠できるとしたら、
高齢になって体力のない体では生んだら力尽きてしまうか、生む前に亡くなってしまうでしょう。


それでは、生まれた子供は無事に育つことができません。

つまり、母子とも共倒れになってしまうわけです。


こうならないために、年齢とともに妊娠しにくくなるのは、
女性を守るために生まれたメカニズムとも言えるのです。


同じように、男性も加齢とともに精子の奇形率が増えたり、
運動率が悪くなったりして受精率が下がります。


しかし、男性の場合は女性と違って、
男性の体を守るためにこうなっているわけではありません。


男性は女性に精子を提供したらあとは妊娠出産には関与しないので、
高齢だからといって男性の体に影響が出ることはありません。


しかし、高齢の男性のもとに子供が生まれても、
男性の寿命があまり残っていないと
子供が成長するまで無事に生きられる可能性が低くなってしまいます。


つまり、男性の場合は生まれてくる子供を守るために、
高齢になると女性を妊娠させる力がなくなるとも言えるのです。







「高齢になって妊娠しにくくなるのは当たり前」

これは誰でも知っていることです。

しかし、なぜそうなっているのかを突き詰めていくと、
そこには精妙な生命維持のメカニズムが働いていることに気づかされます。


こうしたことは、妊活をしていないとまず気づくことはないでしょう。


つまり、妊活するということは、少し大げさな表現をすると、
好むと好まざるとに関わらず、「生命の神秘の一端」に触れることと言えるのかもしれません。


ところで、卵子はどうやって
原始卵胞から誕生するのでしょうか。


女性が思春期になり、生殖が可能になると
生殖のためのプログラムが動き始めます。


これをきっかけとして卵胞を刺激するホルモンが
分泌されるようになり、卵胞が成熟していきます。


このとき、成熟する卵胞は1つではありません。

80日程度かけて成熟した卵胞の中から、一番成熟した卵胞が
卵巣から飛び出しますが、これが「排卵」と呼ばれる現象です。


ちなみに、この排卵された卵胞は、
特別優れた卵胞ではありません。


ただ単にどれかの卵胞が成熟して、偶然排卵されただけなのです。

無数にある精子と卵子が出会って受精し、
着床して妊娠するという流れを見ると、優秀な精子と卵子が結び付いて受精が起こると思いがちですが、
実際に生命の深淵で起きている現象はそうではないのです。