女性の卵子は男性の精子と違って、生まれた瞬間が一番多くて徐々に減っていく

投稿日時:2019/10/17(木) 10:08

妊娠しにくい女性の中には、
卵管に癒着が見られる場合があります。

卵管が癒着すると、卵子が子宮まで送られないために
不妊になりやすくなります。


卵子とはどのようなものでしょうか。

卵子は、卵子の元となる原始卵胞から生まれます。

女性は生まれたときにすでに原始卵胞を持っていて、
その数は年齢とともに減っていきます。


毎日何十個も減っていくため、年齢を重ねると原始卵胞の残りが少なくなり、
しかもその残りも完全な卵胞が減っていくためになおさら妊娠しにくなってしまうのです。


生まれた当初女性の体の中には、
200万個くらいの原始卵胞があります。


しかし、原始卵胞が作られるのはもっと前で、妊娠5カ月くらいの時期がもっとも多く、
500万個~700万個もの原始卵胞があると言われています。


ところが思春期の生殖年齢に入ると、
原始卵胞は10万個~40万個くらいに減ってしまいます。


このように、年齢とともに減っていく卵子の元である原始卵胞と比較して、
男性の精子は毎日作られるので、この点で卵子と精子には大きな違いがあります。


生まれたときから体の中にある原始卵胞は、言い方を変えれば
その女性と同じだけ年齢を重ねていることになります。


つまり、20歳のときの卵子と30歳の卵子は、
見た目は同じ卵子で同じ女性の体で作られた卵子でも、年齢が違うのです。


そのため、女性が年齢を重ねれば
卵子も年齢を重ねた卵子となり、その活動力が衰えていくのです。

女性が35歳過ぎると妊娠しにくくなるというのは、
こういうことなのです。




卵子も年齢を重ねていくため、妊娠しにくくなるわけです。

卵子が年齢を重ねると受精しにくくなります。

せっかく精子が卵子までたどり着いて結合しても、
しっかり受精することの確立が減っていきます。


また、年齢を重ねた卵子は、
染色体に異常が出やすいことがわかっています。


染色体の数は46本あり、21組なので23組あることになります。


細胞が分裂する際は減数分裂といって、染色体の数が半分になります。


しかし、年齢を重ねた卵子はこの分裂が正常に行われず、
23組が2本できるはずの染色体が、22組と24組になるなど、異常な分裂を起こします。

これが染色体異常なのです。


減数分裂が正常にできなかった卵子は、精子と受精できたとしても
染色体に異常があるために正常な受精卵になりません。


これでは受精卵が育つことができないので、
着床しなかったり着床できても流産する結果となってしまいます。


ちなみに、卵子の染色体異常は
必ずしも老化が原因ではありません。


年齢と関係なく染色体異常は起きますが、
年齢とともに細胞分裂がうまくいかない可能性が高くなるのは間違いありません。


こうなってしまう元々の原因は、
原始細胞が年齢を重ねることにあります。

男性の精子が毎日生成されるのに比べて、
女性の卵子がこのように毎日減っていくのはなぜなのかは、よくわかっていません。

男性の精子は、男性が年齢を重ねてもそれほど影響を受けないのに、
女性の卵子はまともに年齢の影響を受けてしまうのです。